| アニメーション映画
原作・脚本:押井守 35mm/カラー/ビスタサイズ/DTS/98分 伏一貴:藤木義勝 プロダクションIGサイト内 日時:2000/6/14(水) 主観星:★★★★★ |
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すごい。 理屈抜きにすごい。おすすめかどうか、と問われれば、 絶対におすすめです。 観るべきか。 観るべきでしょう。 事、アニメーションが好きな人間ならば、 観ないといけない。 下手な洋画・邦画に\1,800-を払うぐらいならば、この作品をぜひ観て欲しい。 この作品はアニメーションという表現手段を用いてはいるが、それはごく表面的な要素に過ぎず、この作品がなぜ実写にて制作されなかったのかが不思議なぐらい。
OPに語られる内容です。これが作品の舞台となる時代背景なのですが、決して明るいものではありません。押井守さんらしいといえばらしいのですが。 ここではストーリーについてこれ以上は書きません。 雰囲気は、『劇場版パトレイバー2』を過激な仕上げにしました、という感じでしょうか。(あくまで雰囲気がです。作品内容からモチーフまで何もかんも違うのですが、なんとなく。) しいて言うなら、驚きでしょうか。 最初から最後まで驚きです。 そして最初から最後まで裏切り続けます。
登場人物の演技に注目です。 しかし、作画、背景などは、他の作品に比べ技術的に突出して美しい、若しくはハイレベルのできである、とは言いにくいと思います。 随所にCGも効果的に使用されているのですが、それらが全く浮くことなく画面に定着しているのには驚きます。あそこまでCGとアニメが融合してしまっていると全く違和感がなくなっていしまいます。 と書いてはみたのですが、実は観ている時にはアニメーションとしてのクオリティーが全く気になりません。 今回の音楽は、溝口肇によるものです。 バンドメンバーをみると『天空のエスカフローネ』などと同じでした。 今回の作品のテンションに完全にシンクロしたサウンドに仕上がっていますが、劇中ではサウンドが完全にシーンにとけ込んでしまっているのでそれを単体として聞き取ることはなかなか難しかったです。そのぐらい一体化したサウンドとなっています。 『JIN-ROH Original Motion Picture Soundtrack』(VICL-60569) を聞きましたが、いわゆる『天空のエスカフローネ』などでは下手すると音楽が暴走してしまうこともありましたが(それはそれで楽しいのですが・・・)、今回は完全なサントラです。 しかしながら、劇中では意識できないんですよね。 この重い音楽を食ってしまうほどの作品の出来。
しかし「どこかで聴いたことがあるなぁ」というのは今回も感じられたわけで。 今堀さんのギターや、菅野さんのピアノもいいですね。
宝塚に強引に繋げるならば、「東京楽天地」あたりでしょうか。(笑)
本当に読まない方がよいと思います。 ここからは、劇場を見た人だけが読んだ方がよいと思います。
とにかく最初から最後まで裏切り続けます。 それが現実なのかもしれませんが。
地下道にてゲリラが蜂の巣にされてしまうシーン。 いきなりあそこで裏切られてしまったような気がする。 これはできない。 阿川七生が爆死するシーン。 これもできない。
しかしながら伏と雨宮の最後のシーンも、このぐらいの現実の中でないとああはならないわけだし、そのためのお膳立てにしてもあまりに厳しいなぁ・・・と感じてしまいました。 最後は納得ですが、あまりに悲しい。 あのエンディングでないと話にならないとはわかっていても、悲しいですね。
私が生まれてからは、民衆の力というのを実感できる場に遭遇したこともありませんし、自らもそのような衝動に駆られたこともありません。 生きていることが実感できない自分としては、あういう時代、もしくは生と死の狭間にこそ現実が見えてくるのかなぁ・・・などとも思ってしまう。 いやいや、なにも死にたいわけではないけれどね。 何かを信じてピンを抜くことができるという事に羨む気持ちはあるけれど。 伏と雨宮が二人でいるシーン。 特に何があるわけではないけれど、時間の長さを感じさせます。 ちょっとした仕草さ言葉が印象的です。 総じてこれらのシーンは好きです。 私は、あのような軍隊組織や諜報活動などの内実は詳しくは知らないのですが、単純に相手の裏の裏をかく、という物語の展開に、時間の経つのを忘れてしまいました。 話は多少それてしまいますが、コンピュータでいうハッカーやクラッカー(一般的には『ハッカー』と『クラッカー』は同じコンピュータを使用した犯罪を犯す人をさすと認識されているようです。しかしコンピュータ技術者の間では『ハッカー』は非常に高度なコンピュータ知識を持つ技術者に対する名誉の称号として扱われ、『クラッカー』はその非常に高度のコンピュータ知識を利用して違法・犯罪などを犯す者に対する蔑称として使用されています。マスコミなどではこの2者を混同して使用している場合があるようですが、受け取る側は区別して考えているので理解してほしいところのようです)ですが、単なるコンピュータを扱える人でもハッカーやクラッカーになれるというのは、難しいことではない、と言われます。つまり、他の絶対多数が知らないコンピュータのバグ、セキュリティの穴、仕組みなどを知っていればよいだけなのですから。セキュリティの穴を知っていても、それを相手に知られなければ相手はその情報を認識できないわけですし、そこから様々なパスワードや機密情報が漏洩していても、その情報の実体を外部で確認するか、もしくはその情報を利用した外部でのなにがしかの行動が認められない限りは、その情報が漏洩したという認識事態も持ち得ないと言うことになってしまいます。 ま、コンピュータにはその人の知らないことを知るために知っておくべきことが膨大になってしまうこともありますから、すべてが簡単に、ともいえないでしょうが。ハッカーの元祖といわれた人は、笛の形をした飴の「キャプテン・クランチ」を使って無料で電話をする、ということをしたそうですが、これこそ、知っていればこそ、ですよね。 インターネットなどではハッキング・クラッキングは日常茶飯事でしょうが、このような情報・諜報戦はなにもインターネットに限ったものではなく、それこそインターネットがここまで普及する以前は情報を持つ者、持たざる者が生死の明暗を分けるということもリアルにあったのでしょう。 この物語は架空の戦後史ですが、舞台が日本の戦後でありながら、諜報が持つ力、をここまで実感させたというのはすごいと思います。表向きには諜報が無いように思ってしまう国だけに(もしかしたら全く無いのかもしれませんが)、こういう舞台でこのようなストーリーをここまで見せてくれた本もすばらしいかと。
ま、現実なんてこんなもん? いい感じ。 早くも次回作に期待していたりして。
押井さん、がんばってください。 沖浦さん、若いのにすごいですね。期待してます。 溝口さん、今度は『劇場版エスカフローネ』にて!
では! |
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