こんにちわ。
ここでは、私(chihiro)が観てきた宝塚歌劇&舞台&映画作品について感想をまとめています。
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2008/4/10に、星組バウホール公演『ANNA KARENINA / アンナ・カレーニナ』を観てきました。
バウホールの入口が見付からず、ちょっと焦ったりしましたが。(w)
今回はちょっと細かく。
あまりの出来の良さに、ため息...
そして
蒼乃さんの歌のうまさに、ため息...
『アンナ・カレーニナ』という作品自体の出来が良いというのは当然として、
生徒さん達の演技も冴えているし、これは良いです。
あー、役変わりも観たいっ!
...東京での公演だったら通えるのに (ボソッ)
(東京青年館28周年記念でなんとか無理矢理東京でも...)
全体の印象ですが、今回の星組キャストさん達は芝居が上手かった。
しっかり演じられていて、ドラマに没頭することが出来ました。
それぞれの人物が持つ生き方を素直に演じられているせいか、
重く悲劇的なストーリーですが、すんなり入ってきました。
ヴィロンスキーにしろアンナにしろ、登場人物それぞれの生き方が、
出会いから、結末に至る物語の流れを形作ってしまっているんだなぁ〜、
と感じる事ができましたし。
物語を支える人物の生き方を、役を通して感じることが出来たので、
余計に物語が素直に入ってきました。
つまりは芝居が上手いなぁ〜、と感じました。
演技や演出にも変に浮いたところも全く無く。
歌もダンスも、良いですね。
生徒みなさんに通じて、上手いだけじゃない、それを越えたエッセンスを感じます。
何か... 隠し味(?)が効いているような歌やダンスなんですよね。
なんだろか?
今回の夢乃さんチーム?での役代わりは、以下の通り。
これらの方々が星組の中でどの程度の番手(?)や 位置にいらっしゃる方なのかを知らないまま観劇してしまっているので、 もしかしたら「あったりまえじゃあ〜ん!」っていう事を白々しく 書いてしまうかも。
以下、完全にネタばれとなる記述があります。
本当にネタばれてます。
ご注意ください。
物語概略は以下のリンクから。
今回の舞台では、以前観たのとは印象が変わって、妙に納得出来た。
ヴィロンスキー、アンナ・カレーニナ、カレーニンそれぞれが、
それぞれの生き方の中でまっすぐに行動しているように見え、
結果不幸な結末に至ってしまうものの、
彼らの生き方からは避けがたい運命なんだろうと、感じた。
ヴィロンスキーにしてもカレーニンにしても、
もう形としては、結託してアンナを追い詰めているようにしか見えない。
カレーニン、彼は最初から最後まで家名と体面を重んじるばかり。
最初からアンナに対しても「家名を守る」者としてはっきり求めているけれど、それが彼の生き方。
カレーニンは、ロシア貴族としての生き方としては間違っていなかったのだろうし、
それによって生かされている、そして生きてゆくことができる。
しかしそれではアンナの気持ちには応えられない。
カレーニンの生き方って、共感できないけれど、否定もしない。
結果的にアンナに動機をあたえたのはカレーニンのこの生き方にもあるんだろうけれど、
カレーニンの生き方だろうし、彼はこれからもこのように生きてゆくだろうから。
ヴィロンスキー、やっぱり自分から死んでほしかった!
結果的にはアンナにひどすぎるでしょう!!!
どうなのよ、ヴィロンスキー!!!
自殺に失敗している時点で、もう厳しい。
もう何やっているんですかっ!っていう。
(この物語上はありえないけれど)あそこで本当に自殺してくれていたら、 ヴィロンスキーの株も(個人的には"愛に殉じた青年将校"って)あがるし、 それ以降の展開も、アンナのあの結末も無かったと思うだけに、やっぱり
ヴィロンスキー!
あなたが死ななかったから、
あの結末が...
厳しい戦線に行くことになる、というのが彼のけじめなのかもしれないけれど、 それが中途半端に見えて、
結局死ぬ気もないんじゃない?
って。
アンナの駅のラストシーンが切なすぎる
故に、対するヴィロンスキーの自殺失敗と、
戦線への赴任がどうしても納得出来なくなってしまう。
当然、上記のヴィロンスキーの自殺してほしいというのは、
実際に死んでしまったら全くストーリーにならないし、私の個人的な妄言。
それにしてもそれではアンナの死と釣合わないんじゃ〜!
と思って、もう終わってからも、もうどうなのよ!!!ヴィロンスキー!という訳で。
以上のように、いろいろ妄想が書けるぐらいに、刺さるストーリーです。
場面ごとに印象的なポイントをピックアップしてみます。
演出や、生徒さん、なんでもありで、ごちゃごちゃしてしまいました。スイマセン。
第1幕 第2場
駅でのヴィロンスキーとアンナの出会いのシーン
やはり、空気が物理的に止まります。
あまりに効果的過ぎて、心の動きさえ目で見えるんじゃないか、っていうぐらい。
見逃せないシーンですね。
第1幕 第3場
キティがアンナに、恋について教えて?って、聞くシーン。
そこから自然に歌に入って行くところ。
あまりに美しく歌に導入して、ほれぼれしてしまいます。
ここで、もうアンナ・カレーニナ役の
蒼乃さん歌上手すぎるフラグ
が立ってしまった。
もうやばいぐらいに上手い。
高い音でも、さも最初からそこに音があったかのように
自然に聞かせてくれる安心感ときたらありません。
その上、演技も自然でいい感じ。
さぁ、困った、もう安心だ。
キティ役の水瀬千秋さん。
明るく朗らかに歌われてて好感。
第1幕 第4場(b)〜第5場
コンスタンチンがキティにふられるシーン。
そして、失恋したキティへ、ドア越しに声をかけて去るコンスタンチン。
コンスタンチン役は今回は壱城あずささん。
壱城あずささんの目元も表情も、とってもやさしげ。
そして、ういういしさが感じられて、コンスタンチンのイメージにぴったりでしたね。
時々コンスタンチンが笑いをとってくれて、話にホッと一息付かせてくれます。
ドア越しにキティに声をかけるシーンも、
コンスタンチンのキティを想う気持ちが表れていました。
第1幕 第6場
列車での帰郷のシーンから、連続して場面展開して導入するアンナの心情を表したシーン。
アンナの心情を表した裸足のアンナ役、優香りこさん、音波みのりさん、夢妃杏瑠さん。
ダンスのみなのですが、表情が本当に楽しそうな笑顔。
そして、後半にも再登場するのですが、その時にも同様に楽しそうな表情。
その時には、その笑顔が故に、切なさを読み取ってしまいます。
裸足のアンナ達の笑顔でアンナの心情を表すという演出は、上手いですね。
第1幕 第9場
競馬場のシーン。
この競馬場のシーンは、第1幕の中で一番完成度が高く、迫力のあるシーンと感じています。
競馬の場面から、ダイナミック観客席に視点が変化。
バックでは競馬をイメージするテンポの良いオーケストラが流れ、
人物達がスローモーションになる中、
拍子違いでカレーニンのソロが被さってゆく。
この、カレーニンが、アンナの姿に付いて歌うソロの場面、
巧い巧すぎる!!!
何が欠けてもああは行くまい、という絶妙のブレンドの場面。
カレーニン役の紅ひずるさんは、浪々と歌いあげます。
カレーニン、結構歌うんですよね。
いずれも変なけれんみを観せることもなく、一見すると地味なんですけれど、
役柄からすると派手になるはずもありませんし、立派です。
第2幕 第2場(a)(b)
コンスタンチンとキティの再開。
微笑ましい笑いがこぼれるシーンですね。
ここでありえないぐらい幸せゲージを持ち上げて、次の場に行くのですから、
そのギャップたるやいかんともしがたく。
これ以降、場面ごとにアップダウンの激しさが増して行きます。
第2幕 第9場
アンナの息子セリョージャが、母親を探しあるくというシーン。
涙が...
第2幕 第11場
アンナがプラットホームに至る一連の流れをダイナミックに観せてくれます。
ヴィロンスキー役、夢乃聖夏さん
納得の主役ですね。
安定してらっしゃるのでコメントしにくいんですけれど、納得する他無い、という印象。
アンナ・カレーニナ役、蒼乃夕妃さん
くどいようですが、
蒼乃さん、歌うまっ!
高い音まで自然に聞かせてくれます。
頑張って歌っているような音では無いので、
やもすると普通に聞こえてしまうかもしれませんが、
とても上手です。
その上、演技もダンスも上手くて。
バランスいい娘役さんですねぇ。
パンフレットで初めてアンナ・カレーニナ役さんの写真って、確認したときに、
写真の視線が、何か見抜かれてしまうような視線の強さを感じて、強気な表情に見えました。
見開きの左下端っこだし。主役級のアンナなのに、なんでこんな後ろなの?
こんな場所だから、キッていう視線を出しているの?
正直言います。こ、恐い...
当然ステージ上のアンナの姿にはそんなことは全くありません。
カレーニン役の紅ゆずるさん
前に出すぎること無く控えめに演じられているように見えましたが、存在感は充分。
カレーニンにはひどさというよりも、
ロシア貴族としての生き方を全うしている人物というイメージをもったのですが、
これは紅さんの落ち着いた演技によるのでしょうか。
歌でも安定した実力を感じましたね。
競馬シーンのソロはもう一度聞きたいです。
コンスタンチン役の壱城あずささん、キティ役の水瀬千秋さん
アンナの対比として描かれるお二人とも、明るくてよかったです。
壱城さんのコメディーチックな演技、水瀬さんの照れている演技、印象的。
今回の再演を観て、やっぱり脚本の植田景子さん、音楽の吉田優子さんと甲斐正人さん、 この組み合わせは、もはや不安材料が絶無、
あー、もう絶賛するしかない!
展開がダイナミック。中だるみさせず、最後まで緊張感を保ったままラストまで。
もう、植田さんの手のひらで踊らされるしか無いです。
心理描写を行うシーンにあるスローモーション。効果的ですね。
駅でのヴィロンスキーとアンナの出会うシーンや、競馬場のシーンなど。
本当に時間が伸びますもん。
音楽も、吉田さんと甲斐さんにかかっては、
もう身を任せるしか無いでしょう。
『アンナ・カレーニナ』中では、ミュージカルナンバーという単品ものじゃなく、
場面に溶けこんで歌や音楽が始まる不思議な心地よさがあります。
前回にも音楽についていろいろ書きましたが(『アンナ・カレーニナ』(2001/8/22) - 宝塚観劇日記)、印象は変わりません。
劇の流れへの、音楽と歌の付き方、入り方がきれい。
先日観た『舞姫』の舞台と、似たような作り。
2001年の時は円柱でしたが、今回は吊りの立て板。
主に、上手側、下手側に3枚ずつ吊りの立て板。左右の移動と、やや回転。
立て板と背景には、荒野と立ち木が描かれている。
立て板の画は薄めで、いろいろな印象を場面にもたらします。
舞台を円形に囲うようにしたり、直線的な壁など、演出次第で場を調整しやすそうなセット。
『舞姫』と同様に、立て板をスライドさせての場の転換など、効果的でしたね。
いろいろ上手く場面を構成されていた装置にも、1点だけ指摘。
第2幕第4場、教会のシーンの序盤、自分が座った位置から人物が完全にケラレしまい、
演技が見えない状況がありました。
(ケラレ:覆われて写らない部分が出る写真用語。舞台に使う言葉じゃ無いかもしれないが、ここでは覆われて見えなくなっているという意味で使っています)
教会のセットの状況は、壁を水平に中心に寄せて「三 三」型に。
板の間は逆光、立て板の外側は真っ暗。
立て板の間にヴィロンスキー、そして、信徒さんが奥から。
その後、この「三」を左右に移動させ、一気に舞台が広がり展開します。
この左右の「三」の間で人物が動いていたようなのですが、
この水平の3枚板は斜めから観ていると間が遮蔽されてしまうので、
間で何を演技されているのかわかりませんでした。
見えなくてもストーリー上はあまり影響はないし、時間もすぐで、あっという間。
それにしても見えないので、
「あぁ〜みえないぃ〜、あれぇ〜あれれぇ〜」
と思いまして。
見えなくなるというのは、
座席が極端に端(片側がケラレる)とか、
後尾座席(上側がケラレる)でない限り想定しない心構え。
今回の自分の席は、極端に前すぎることもないと思いますが、びっくりした。
教会をイメージした装置構成として、センター寄りの席からはきれいに教会の礼拝堂に見えるだろうと想像。
もっと幅広い座席からも見える位置の演技とか、装置の装置の工夫があるとうれしかったです。
もし席が選べるなら、センター寄りが良いでしょう。
『アンナ・カレーニナ』の完成度の高さを、改めて認識しました。
演じる生徒さん達にはプレッシャーもあったりするんでしょうが、立派に演じられていて好感。
そして、
蒼乃さんの歌とダンスをもう一度観たい!
と思い始めている私がいたりして。
星組の皆様ありがとうございました。
お疲れさまでした。
|
原作:レフ・トルストイ |
[星組] |
会場:バウホール
日時:2008/04/10 14:30-
座席:へ列7番 \4,500-
Posted at 2008/04/12 23:54 in /diary/Troupe_Star
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